赤い羽根共同募金の使い道、2025年度の総額と助成の中身

データ・独自分析
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赤い羽根共同募金の使い道、2025年度の総額と助成の中身

赤い羽根共同募金に寄せたお金は、どこで、何に使われているのか。中央共同募金会が2026年9月に発行した2025年度(令和7年度)の年次報告書によると、募金の大半は寄付をした人が暮らす市区町村の中で使われ、助成の対象は特定の対象者を定めない地域活動と高齢者向けの活動が中心だった。一方、集め方は今も町内会・自治会を通じた戸別募金に大きく頼っている。

本記事では、報告書の数値をもとに赤い羽根共同募金の総額と使い道を整理する。あわせて、同じ年度の募金を管理していた北海道共同募金会で明らかになった使途不明金について、報告書がどう扱ったのかも確認する。

赤い羽根共同募金の総額と集め方

まず、2025年度に全国で集まった募金と、それをもとにした助成の規模を確認しておく。

153億4,922万円
2025年度の募金総額
126億8,830万円
2025年度募金による助成総額
42,804件
助成件数
1.1兆円超
1947年からの累計募金額

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」

募金は3種類に分かれる

「赤い羽根共同募金」と呼ばれるお金は、実際には性格の異なる3つの募金の合計だ。10月から始まる一般の赤い羽根共同募金は、原則として集めた都道府県の中で使い道が決められる。12月の地域歳末たすけあいは、年末年始に支援が必要な人を地域で支える活動に充てられ、NHK歳末たすけあいはNHKとの共催で行われる。

募金の種類 金額 割合
赤い羽根共同募金(一般募金) 115億1,033万円 75.0%
地域歳末たすけあい 33億4,301万円 21.8%
NHK歳末たすけあい 4億9,588万円 3.2%
合計 153億4,922万円 100.0%

街頭で赤い羽根を受け取る一般募金が中心ではあるものの、年末の歳末たすけあいも同じ「共同募金」として集計されている。両者のお金の流れの違いは同じ共同募金でも別物。歳末たすけあいと赤い羽根はお金の流れが違うで、共同募金の仕組み全体は赤い羽根共同募金とは何か 仕組み・歴史・使われ方を図解で解説している。

7割を占める戸別募金

募金の集め方を見ると、共同募金がどのような仕組みに支えられているのかがはっきりする。

2025年度の赤い羽根共同募金の募金方法別割合。戸別募金が約7割戸別募金69.3%法人募金10.9%職域募金4.3%街頭募金1.7%学校募金1.3%その他(ネット含む)12.5%

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」をもとに当サイト作成

募金方法 金額 割合
戸別募金 106億3,926万円 69.3%
法人募金 16億7,624万円 10.9%
職域募金 6億5,490万円 4.3%
街頭募金 2億6,261万円 1.7%
学校募金 2億355万円 1.3%
その他(インターネット募金を含む) 19億1,266万円 12.5%

駅前の街頭募金のイメージとは裏腹に、実際の柱は募金ボランティアが各家庭を訪ねる戸別募金だ。戸別募金の多くは町内会や自治会を通じて集められており、自治会費からの一括拠出が「任意の寄付といえるのか」という問題は各地で繰り返し指摘されてきた。報告書はインターネット経由の寄付が年々増えていると説明しているが、全体で見れば、共同募金は今も地域組織の集金網に支えられている。

赤い羽根共同募金は何に使われているのか

では、集まった募金はどこに流れ、どのような活動に使われたのか。報告書は、使われる地域、目的、対象者、分野という複数の切り口で助成の内訳を示している。

募金の7割は集めた市区町村内で使われる

報告書によれば、赤い羽根共同募金に寄せられた募金のおよそ7割は、寄付をした人が暮らす市区町村の中の福祉活動に使われる。残りのおよそ3割は、同じ都道府県の中で、市区町村の枠を越えた広域的な課題に取り組む活動に充てられる。つまり、ある町で集めた募金の多くは、その町の社会福祉協議会や地域の団体を通じて、同じ町の中に戻っていく仕組みだ。

赤い羽根共同募金のお金の流れ。約7割が市区町村内、約3割が都道府県内の広域的な活動に使われる寄付者(戸別・法人・街頭など)都道府県共同募金会募金を集約し助成先を決定約7割約3割市区町村内の福祉活動社協・地域の団体など都道府県内の広域的な活動県域の団体・施設など一般募金の3%災害等準備金災害等準備金は大規模災害時に都道府県を越えて被災地の支援に拠出される

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」をもとに当サイト作成

地元で集めたお金が地元で使われるという点は共同募金の特徴だが、裏を返せば、どの地域でどの団体にいくら渡ったのかは、都道府県ごと、市区町村ごとに見なければ分からない。全国の報告書が示すのは、あくまでその合計である。

目的別では社会参加・まちづくりが最大

助成を活動の目的で分けると、次のような構成になる。

2025年度の赤い羽根共同募金の助成の目的別割合社会参加・まちづくり支援40.1%その他の地域福祉支援23.8%日常生活支援22.6%社会福祉施設支援8.5%災害対応・防災5.0%

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」をもとに当サイト作成

活動の目的 助成総額に占める割合
社会参加・まちづくり支援 40.1%
その他の地域福祉支援 23.8%
日常生活支援 22.6%
社会福祉施設支援 8.5%
災害対応・防災 5.0%

報告書は目的別の金額を示しておらず、割合のみ掲載

最も大きいのは、住民の交流や地域づくりを支える活動だ。食事や入浴、見守りといった日常生活の直接的な支援よりも、地域のつながりをつくる活動のほうに多くの資金が向かっている。人口減少や孤立への対応を重視する近年の共同募金の方針が、配分にも表れているといえる。

対象者別では住民全般が最大

活動の対象者で分けると、特定の対象者を定めない活動が最大となる。

2025年度の赤い羽根共同募金の助成の対象者別割合住民全般43.2%高齢者21.8%児童・青少年13.2%障がい児・者11.2%課題を抱える人10.6%

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」をもとに当サイト作成

対象者 件数 金額 構成比
住民全般 14,267件 54億7,872万円 43.2%
高齢者 10,157件 27億7,217万円 21.8%
児童・青少年 8,830件 16億7,613万円 13.2%
障がい児・者 6,790件 14億1,982万円 11.2%
課題を抱える人 2,760件 13億4,146万円 10.6%
合計 42,804件 126億8,830万円 100.0%

「住民全般」には、対象を限定しない地域活動や、社会福祉協議会による広報・運営などが入るとみられるが、報告書に中身の内訳はない。

課題を抱える人への助成の内訳

一方、生活上の困難を抱える人への助成は、次のように細かく分類されている。

課題を抱える人の内訳 件数 金額
低所得者・要保護世帯 1,231件 6億8,617万円
災害等被災者 358件 3億9,709万円
その他 442件 1億3,077万円
更生保護関係者 362件 3,645万円
長期療養者 129件 2,374万円
不登校児 54件 1,924万円
DV被害者 28件 1,586万円
ひきこもりの人 71件 1,184万円
在住外国人 40件 788万円
犯罪被害者 16件 780万円
ホームレス 29件 461万円

件数・金額がゼロの区分(ボランティア、中国等帰国者、原爆被災者)は省略

低所得世帯と災害被災者で、この区分の大半を占める。歳末たすけあいによる見舞金や、被災地支援がここに含まれていると考えられる。ひきこもりやDV被害者、ホームレスといった近年注目される課題は、件数・金額ともに小さい。こうしたテーマは、後述する中央共同募金会の赤い羽根福祉基金が全国規模で補う形になっている。

分野別で最大は中身の見えない区分

報告書は、助成を21の分野に分けた集計も掲載している。

2025年度の赤い羽根共同募金の分野別助成額(上位10分野)その他の地域福祉29.3億円高齢者福祉20.4億円地域活動13.9億円障害者福祉13.0億円まちづくりの推進11.8億円児童福祉8.6億円生活困窮者支援7.8億円災害対応・防災6.3億円社会的孤立防止4.1億円ボランティア・NPO中間支援4.0億円全21分野のうち上位10分野のみ表示

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」をもとに当サイト作成

分野 件数 金額
その他の地域福祉 7,005件 29億3,250万円
高齢者福祉 7,865件 20億3,664万円
地域活動 3,975件 13億8,590万円
障害者福祉 6,334件 12億9,790万円
まちづくりの推進 3,032件 11億8,104万円
児童福祉 3,776件 8億6,037万円
生活困窮者支援 1,581件 7億7,700万円
災害対応・防災 1,108件 6億3,390万円
社会的孤立防止 1,282件 4億1,483万円
ボランティア・NPO中間支援 1,858件 4億34万円
子育て支援 1,765件 2億8,671万円
こども健全育成 1,598件 2億5,569万円
社会教育・生涯学習 684件 9,945万円
更生保護 444件 4,267万円
保健・医療 134件 2,387万円
人権擁護 91件 2,138万円
犯罪被害者支援 25件 1,385万円
防犯 78件 995万円
環境 119件 913万円
国際理解・交流 40件 404万円
男女共同参画 10件 114万円
合計 42,804件 126億8,830万円

全21分野を金額の大きい順に掲載

分野別でも、首位は「その他の地域福祉」だ。対象者別の「住民全般」、目的別の「その他の地域福祉支援」と同じく、名前からは何に使われたのかが読み取れない区分が上位に並ぶ。個別の助成先と事業名は中央共同募金会の「はねっと」で公開されているものの、報告書の集計区分とはねっとの事業名を突き合わせる手段は示されていない。具体的な使い道を知りたい寄付者にとって、この区分の大きさは情報の空白といえる。

実際に助成された活動の例

報告書には、2025年度の募金で支援した活動の例として8つの事業が紹介されている。

地域 団体 事業
静岡県静岡市 開発教育FUNCLUB 不登校やひきこもりの若者、外国人などへの学習支援を行う自主夜間教室
秋田県鹿角市 特定非営利活動法人幸せサポートいろどり ひとり親世帯への食料支援と子育て世帯向けの支援イベント
茨城県守谷市 守谷市社会福祉協議会 高齢者の健康づくりと社会参加のためのeスポーツ交流会
東京都墨田区 社会福祉法人愛清館 幼保連携型認定こども園共愛館保育園 熱中症対策のための園庭用日よけテントの整備
新潟県燕市 えんジョブ・ひまわり 障がいのある子どもの職場体験と地域交流
山口県光市 東荷地区連合自治会・東荷地区自主防災会 避難生活の課題を学ぶ自主防災教室
香川県まんのう町 まんのう町社会福祉協議会高篠支部 高齢者宅への弁当配達と見守りを兼ねたふれあい弁当事業
岡山県高梁市 子育てサロンみちくさ 子どもから大人まで集まる多世代交流の場づくり

報告書が「助成の事例」として紹介したもので、助成額は掲載されていない

学習支援や食料支援、見守りといった生活に直結する活動から、防災や多世代交流まで、共同募金の助成先は幅広い。小規模な任意団体から社会福祉法人、社会福祉協議会まで、受け手の規模もさまざまだ。ただし、これらは報告書が選んだ事例であり、全体の助成がこうした活動で占められているわけではない点には注意したい。

募金額と助成額の差

最後に、集めた募金のうちどれだけが助成に回ったのかを種類ごとに確認する。

種類 募金額 助成額 助成額/募金額
赤い羽根共同募金(一般募金) 115億1,033万円 91億6,671万円 79.6%
地域歳末たすけあい 33億4,301万円 30億5,833万円 91.5%
NHK歳末たすけあい 4億9,588万円 4億6,326万円 93.4%
合計 153億4,922万円 126億8,830万円 82.7%

一般募金は毎年3%を災害等準備金として積み立てる。2025年度末の積立額は4億3,967万円

一般募金は、災害に備えた準備金の積立があるため、歳末たすけあいよりも助成に回る割合が低くなる。ただし差額は準備金の積立分を大きく上回っており、残りが募金活動の経費なのか、次年度への繰越なのかは報告書に示されていない。準備金の仕組みと使い道をめぐる議論は赤い羽根の災害等準備金とは?積立の実態と広がる使い道の議論で取り上げている。なお、ここでいう助成額は2025年度の募金に基づくもので、実際に団体へ配分されるのは翌年度になる。

災害時の赤い羽根の使い道

共同募金には、平時の地域福祉とは別に、災害時の支援に回す仕組みが二つある。都道府県共同募金会が積み立てる災害等準備金と、中央共同募金会が運営するボラサポ(災害ボランティア・NPO活動サポート募金)だ。

災害等準備金はボランティアセンターの運営に

災害等準備金は、主に被災地の災害ボランティアセンターの運営費に使われる。共同募金は原則として集めた都道府県の中で使われるが、大規模な災害では都道府県の区域を越えて、全国の共同募金会が積み立てた準備金を拠出し合う。

災害名 県名 助成金額
令和6年能登半島地震 富山県 280万円
石川県 6,940万円
令和7年8月豪雨 秋田県 158万円
福岡県 230万円
熊本県 4,232万円
鹿児島県 790万円
令和7年9月豪雨 静岡県 825万円
三重県 149万円
令和7年台風22号 東京都(八丈島) 236万円
合計 1億3,839万円

2025年度の災害等準備金の助成状況(2026年5月末現在)

準備金は、泥のかき出しに使う資材や、家財の運び出しに使う車両の借り上げ費、ガソリン代など、ボランティアが現場で動くための経費に充てられたと報告書は説明している。

ボラサポは被災地の団体に直接助成

もう一つのボラサポは、被災地で活動するボランティア団体やNPOに活動資金を直接助成する仕組みだ。

ボラサポの助成 件数 助成決定額
令和6年能登半島地震 101件 2億2,115万円
令和7年大船渡火災 18件 2,614万円
令和7年8月、9月大雨および竜巻災害 21件 1,738万円
2025年度の合計(平時の備えへの助成を含む) 168件 3億2,103万円
累計(2011年〜2025年度) 17,932件 73億5,687万円

発生から時間がたった能登半島地震の被災地への助成が、今も最大を占める。仮設住宅での生活の長期化に伴い、見守りやコミュニティの再生など、復旧後の暮らしを支える活動へと支援の中身が移っている。

中央共同募金会の独自事業と決算

報告書には、都道府県の共同募金とは別に、中央共同募金会自身の事業と決算も掲載されている。ここで示されるのは全国の募金総額ではなく、中央共同募金会という一つの法人の財務だ。

福祉基金とボラサポはいずれも支出超過

区分 項目 2025年度
赤い羽根福祉基金 収入額 2億2,102万円
支出額(うち事務経費) 5億6,317万円(7,622万円)
収支差 −3億4,216万円
ボラサポ 収入額 1億8,439万円
支出額(うち事業費) 4億4,281万円(5,776万円)
収支差 −2億5,842万円
法人全体 純資産(年度末) 53億8,316万円
純資産の前年度末からの増減 −10億4,315万円

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」各事業の収支報告および法人単位貸借対照表

二つの独自事業はいずれも、その年の寄付だけでは助成をまかなえず、過去に積み立てた基金を取り崩しながら運営している。法人全体でも純資産は1年で大きく減った。前年度は能登半島地震への支援金が大量に寄せられており、その資金を今年度に配分した影響とみられるが、報告書に減少理由の説明はない。蓄えが減り続ければ、いずれ事業規模そのものの見直しが必要になる。

赤い羽根福祉基金の新規助成先

赤い羽根福祉基金は、公的制度では対応しきれない課題に取り組む団体を全国規模で支援する事業で、都道府県の共同募金とは違い、助成先の団体名と金額が個別に公表されている。2025年度に新たに助成が決まった事業は次のとおりだ。

所在地 団体名 事業の概要 助成決定額
北海道 特定非営利活動法人コミュニティワーク研究実践センター 家族関係の困難を抱える学生への生活の場の提供と学業継続支援 992万円
茨城県 認定特定非営利活動法人茨城NPOセンター・コモンズ すべての子が学ぶ機会を得られる教室づくり 1,000万円
東京都 一般社団法人Life is 重症児者と家族・地域住民が過ごす多機能型複合施設 1,000万円
石川県 特定非営利活動法人じっくらあと 災害復興期の子どもへの包括的支援 825万円
京都府 特定非営利活動法人京都子育てネットワーク 産後デイステイ事業 549万円
大阪府 特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ 中高生向けLGBTQ教育プログラムの地方展開 948万円
大阪府 特定非営利活動法人Wisa 不登校・ひきこもりのテレワーク就業に向けたメタバース開発 397万円
香川県 特定非営利活動法人未来ISSEY 長期入院・療養中の高校生の学習支援体制づくり 450万円

新規8事業のみ掲載。継続助成を含む2025年度の助成は30件・2億842万円

地域の共同募金の分類では小さくしか表れなかった不登校やひきこもり、LGBTQといったテーマが、福祉基金では正面から助成の対象になっている。地域の募金と全国の基金とで、役割を分け合っている形だ。

北海道共同募金会の使途不明金と2025年度の募金

報告書の中で具体的な数字が示されなかったのが、北海道共同募金会の使途不明金だ。ここでは、報告書に載った北海道の募金額と、報道された不明金の額を並べて確認する。

北海道の2025年度の募金額

まず、報告書に掲載された北海道の2025年度の募金額は次のとおりだ。

募金の種類 金額 割合
赤い羽根共同募金(一般募金) 5億87万円 74.4%
地域歳末たすけあい 1億5,461万円 23.0%
NHK歳末たすけあい 1,768万円 2.6%
合計 6億7,316万円 100.0%

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」都道府県別共同募金実績額

報道された使途不明金との比較

使途不明金の額について、北海道共同募金会の公式発表は「多額の使途不明金」と表現するのみで、金額を記載していない。報道によれば、2026年6月の記者会見で約1億8,000万円と説明され、9月にはさらに約7,000万円が判明して合計約2億5,000万円になった。報じられた額を、報告書の北海道の募金額と並べると次のようになる。

北海道共同募金会の2025年度募金額と、報道された使途不明金の比較2025年度 募金総額6.73億円うち一般募金5.01億円報道された使途不明金約2.5億円使途不明金は2020年ごろからの累計(報道ベース)

出典:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」および報道をもとに当サイト作成

比較対象 金額 報道された約2億5,000万円の割合
北海道の2025年度 募金総額 6億7,316万円 約37%
北海道の2025年度 一般募金のみ 5億87万円 約50%

1年分の募金と並べると、その規模の大きさがわかる。ただし、報道では不正は2020年ごろから続いていたとされており、不明金は複数年にわたって積み上がったものだ。ある1年の募金のうちこれだけが消えたという意味ではない。また、追加で判明した分に元事務局長がどこまで関与したのかは、北海道共同募金会が9月に設置した第三者委員会の調査対象となっており、調査報告書は2027年1月末をめどに提出される予定だ。

募金額に不祥事の影響はまだ表れていない

北海道の2025年度の募金運動は2026年3月末に終わっており、問題が公表されたのはその後だった。そのため、この募金額には不祥事の影響はまだ表れていない。FNNは、改善策が明らかになるまで寄付を見送る町内会も出ていると報じており、影響が数字に出るとすれば、10月1日に始まる2026年度の運動からになる。

年次報告書での扱い

年次報告書でこの件に触れているのは、中央共同募金会の会長あいさつの一節だけだ。あいさつは「北海道共同募金会の職員による不祥事案が明らかとなったことは誠に遺憾です」と述べ、全国の共同募金会とともに適正な組織運営と募金管理の徹底、再発防止に取り組むとしている。報告書の対象期間は2026年3月末までであり、決算や統計に数字が表れないのは期間の上では自然だ。ただ、発行は9月であり、中央共同募金会は8月に北海道への緊急支援助成を決めていた。その規模や財源、不明金の金額について一切記載がないのは、全国の寄付者に向けた報告として物足りない。

北海道の事件の経緯を追った記事

事件の経緯は、当サイトの一連の記事で詳しく追っている。発覚の経緯と助成への影響は赤い羽根1億8,000万円横領、6年間気づかれなかった理由と助成への影響、元事務局長の懲戒解雇は北海道共同募金会横領の続報。元事務局長を懲戒解雇、残り助成は時期未定、偽造議事録による借入は赤い羽根1億8,000万円横領、続報。偽造議事録で1.9億円の不正借入が発覚、中央共同募金会による緊急支援の法的な論点は赤い羽根不明金、北海道への緊急支援は合法か 会計監査の抜け穴で解説している。

都道府県ごとの赤い羽根の使い道を調べる

全国の年次報告書から読み取れるのは、募金の総額と大まかな内訳までだ。募金の多くは集めた市区町村の中で使われるため、自分の寄付が実際にどの団体のどの事業に渡ったのかを知るには、都道府県ごとの助成データを見る必要がある。当サイトでは、はねっとの公開データをもとに、都道府県別の助成先一覧を年度ごとに検索できるようにしている。北海道については北海道の令和6年度助成先一覧で、これまでの寄付がどの団体に助成されてきたのかを確認できる。

参考資料:中央共同募金会「令和7年度年次報告書」を発行しました/北海道共同募金会 第三者委員会の設置について/中央共同募金会による北海道内の地域福祉活動への緊急支援の実施について/北海道ニュースUHB(2026年6月15日)

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