毎年10月になると街頭や学校で見かける赤い羽根。子どもの頃から「善意の募金」として刷り込まれてきたが、実際にどんな仕組みで、集めたお金がどこへ行くのかを正確に説明できる人は少ない。本記事では赤い羽根共同募金の基本を整理する。
そもそも赤い羽根共同募金とは
正式名称は「赤い羽根共同募金」。運営主体は各都道府県に設立された「共同募金会」(社会福祉法人)47団体と、その連合体である「社会福祉法人中央共同募金会」だ。
単なる民間の任意募金ではなく、社会福祉法第112条に位置づけられた法定の募金制度である点が重要だ。同法により、毎年10月1日から翌3月31日の期間のみ募金活動が許可されており、この期間中は「共同募金会以外の者は共同募金事業を行ってはならない」とされている(社会福祉法第113条)。法的に特別な地位を与えられた募金だ。
歴史——戦後の孤児支援から始まった78年
共同募金運動は1947年(昭和22年)、「国民たすけあい運動」として始まった。戦後の日本では戦前に6,700余あった民間社会福祉施設が戦災で約3,000に激減し、新憲法第89条の「公私分離原則」により公金を民間慈善活動に充てられなくなっていた。そこでアメリカのコミュニティ・チェスト運動をモデルに、民間資金を募金で集める仕組みが作られた。第1回の募金では約6億円(現在の貨幣価値で約1,200億円相当)が集まった。
翌1948年から寄付者に「赤く染めた羽根」を渡すようになり「赤い羽根共同募金」の名が定着した。募金額は1995年度の約265億円をピークに減少し、現在は約170億円前後で推移している。
お金の流れ——集めてから配るまで
赤い羽根共同募金のお金の流れ
職場・ネット
共同募金会47法人
福祉施設など
集まった寄付の約70%は募金された都道府県内で使われる
寄付者から集まったお金は、各都道府県の共同募金会に入る。配分の際は「配分委員会」の承認が必要で(社会福祉法第117条)、審査を経て社会福祉協議会・NPO・福祉施設などへ助成される。集まった寄付の約70%はその都道府県内で使われ、残りの約30%は広域の課題対応に充てられる。
注意すべきは、共同募金会が直接福祉活動を行うわけではないという点だ。あくまで「助成する側」であり、実際に活動するのは助成を受けた各団体だ。
具体的に何に使われているのか
助成先は主に以下のような活動だ。
- 高齢者の見守り・配食サービス・デイサービス施設の整備
- 障害者の就労支援・共同作業所の備品整備
- 子ども食堂・放課後居場所づくり
- ヤングケアラー支援・DV被害者支援
- 災害ボランティアセンターの運営(ボラサポ)
当サイト(赤い羽根募金マップ)では、全国47都道府県・2021年度以降の助成先データを公開している。実際にどんな団体がいくらの助成を受けているかを都道府県別・年度別に確認できる。
「赤い羽根共同募金」と「赤い羽根福祉基金」は別物
Colabo問題などで話題になった「赤い羽根福祉基金」は、赤い羽根共同募金とは別の制度だ。混同されやすいので整理する。
| 赤い羽根共同募金 | 赤い羽根福祉基金 | |
|---|---|---|
| 運営主体 | 都道府県共同募金会(47法人) | 中央共同募金会(1法人) |
| 法的根拠 | 社会福祉法第112条 | なし(中央共募の独自基金) |
| 財源 | 街頭・自治会・職域募金 | 企業・篤志家からの直接寄付 |
| 助成対象 | 地域の社会福祉事業 | 共同募金では対象外の先駆的事業 |
Colaboや若草プロジェクトへの助成は主に「赤い羽根福祉基金」を通じたものだ。街頭で集めた赤い羽根共同募金とは財源が異なる。ただし、どちらも中央共同募金会が関与しており、組織としての関係性は深い。

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