事件・不正

北海道共同募金会横領の続報。元事務局長を懲戒解雇、残り助成は時期未定

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2026年7月14日、北海道共同募金会は記者会見を開き、約1億8,000万円の使途不明金を生じさせた元事務局長(58)を7月13日付で懲戒解雇したと発表した。6月15日の第1報から約1ヶ月。その間に明らかになった新事実と、いまだ未解決の問題点を整理する。

懲戒解雇の確定——7月13日付

6月15日の会見時点では「横領の事実が確定次第、懲戒解雇する」という方針にとどまっていた。それから約1ヶ月後の7月13日、北海道共同募金会は正式に元事務局長を懲戒解雇した。

懲戒解雇の理由は「不正な経理処理をしたこと」とされている。横領の全容が解明された段階ではなく、不正な経理処理という事実をもって解雇に踏み切った形だ。

刑事告訴については「検討中」という段階にとどまっており、逮捕・起訴には至っていない。内部調査が続いているが、元事務局長が説明を拒んでいることもあり、全容解明には時間がかかる見通しだ。

新事実——1人管理は2010年から16年間継続していた

7月14日の発表で明らかになった重要な新事実がある。6月15日の第1報では「着服は2020年ごろから」と説明されていたが、今回の発表では「元事務局長は2010年から実質的に1人で会計を担当していた」ことが明らかになった。

つまり着服が始まる10年前から、1人管理という「不正の機会」が存在していたことになる。2010年から2020年の10年間は問題が起きなかったのか、あるいは実際にはより早い時期から着服が始まっていた可能性はないのか——現時点では不明だが、1人管理の期間が当初の説明より大幅に長かったという事実は重い。

また、元事務局長が職員に対して「申し訳ないことをした。いずれお詫びしたい」と話していたことも新たに明らかになった。着服の事実を自認するような発言をしながら、会側の正式な調査には説明を拒んでいるという矛盾した状況だ。

助成の現状——5割は交付済み、残りは未定

2026年度助成金の交付状況(7月14日時点)

交付済み(7月7日)
193の共同募金委員会へ交付完了
1億6,000万円

未交付・時期未定
財源確保の見通し立たず
約1億8,000万円

2026年度予定総額
3億4,000万円

出典:北海道共同募金会 7月14日発表

6月の段階では「予定額の約5割を早急に交付する」としていた計画通り、7月7日に1億6,000万円が北海道内193の共同募金委員会を通じて助成された。この財源は事務費の削減と積立金の取り崩しで確保した。

問題は残り約1億8,000万円だ。7月14日時点で交付の時期は「未定」とされており、財源確保の見通しも示されていない。元事務局長への損害賠償請求が認められれば回収できる可能性はあるが、実際に回収できるかどうか、どのくらいの時間がかかるかは不透明だ。

助成を受けるはずだった道内の福祉施設・NPO・障害者支援団体にとって、残り1億8,000万円の見通しが立たない状態は深刻だ。千歳市の障害者支援センターをはじめ、毎年の赤い羽根助成を年間予算に組み込んでいる団体にとって、交付時期の見通しが出ないことは事業継続の問題に直結する。

今後の5つの焦点

① 刑事告訴の行方 「検討中」のまま時間が経過している。元事務局長が調査への説明を拒否している以上、刑事手続きによる強制的な事実解明が必要になる可能性が高い。告訴状の提出がいつになるかが次の節目だ。

② 損害賠償請求と回収見通し 1億8,000万円という金額を個人が弁済できるかどうかは未知数だ。不動産・預貯金・生命保険等の財産があれば差し押さえが可能だが、着服した資金がどこに消えたかによって回収可能額は大きく変わる。

③ 残り助成の財源確保 最大の実務的課題だ。積立金の取り崩しは一定の限度があり、事務費削減にも限界がある。中央共同募金会や他都道府県からの支援が得られるかどうかも注目点だ。

④ 全国一斉点検の結果公表 6月15日の声明で中央共同募金会は全国47都道府県の共同募金会に対する経理体制の一斉点検を表明した。この点検結果がいつ、どのような形で公表されるかは、北海道と同様の問題が他県にも存在するかどうかを把握する上で重要だ。現時点で結果の公表はない。

⑤ 会長辞任の時期 瀬尾英生会長は6月の会見で「しかるべき時期に会長職を辞する」と述べたが、7月14日時点でまだ在任している。懲戒解雇が確定した今、辞任の時期が改めて注目される。

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まとめ

  • 7月13日付で元事務局長を懲戒解雇。刑事告訴は「検討中」のまま
  • 元事務局長は2010年から1人で会計を管理——着服開始(2020年)の10年前から1人管理が続いていた
  • 元事務局長は職員に「申し訳ない」と話す一方、会の調査には説明を拒否
  • 7月7日に1億6,000万円(計画の約5割)を助成。残り約1億8,000万円は時期未定
  • 刑事告訴・損害賠償回収・残り助成の財源・全国点検結果・会長辞任の5点が今後の焦点

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