赤い羽根への情報開示請求で出てきた黒塗り文書の中身
2023年6月24日、暇空茜氏(本名非公開・Colabo問題を追及してきた民間人)が赤い羽根共同募金への情報開示請求の結果をSNSに投稿した。返ってきた文書はほぼ全面が黒塗りで、可読部分は表題の1行のみ。このポストは約800万インプレッション・4.7万いいねを記録し、赤い羽根への不信感を爆発的に広げた。本記事では開示請求の内容と黒塗り文書が示した事実を整理する。
そもそも赤い羽根は情報公開の対象か
まず前提を整理する。情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)の対象は国の行政機関と独立行政法人だ。共同募金会は社会福祉法人であり、情報公開法の直接の対象ではない。
つまり暇空茜氏の請求は、行政への情報公開請求とは性格が異なる。社会福祉法人である中央共同募金会が独自に定める「情報公開規程」や「個人情報保護規程」に基づく開示請求だ。社会福祉法は第59条の2で社会福祉法人に対して財務諸表等の公表を義務付けているが、助成先との契約書・覚書・審査書類などについての開示義務は定めていない。
この「義務の範囲が狭い」という点が、黒塗りを法的に可能にしている構造的な背景だ。
開示請求の内容——2段階の請求
開示請求の流れ
WBPC4団体(Colabo・ぱっぷす・若草プロジェクト・BONDプロジェクト)の赤い羽根福祉基金への応募書類・収支報告・覚書などの一切すべてを開示せよ
全件非開示——理由の説明なし
「なぜ非開示にしたのか」——非開示にした理由を示す文書を開示せよ
ほぼ全面黒塗り——表題「赤い羽根福祉基金女性に関わる情報公開請求への対応について」の1行のみ判読可能
暇空茜氏の説明によると、第1の請求でWBPC4団体に関する書類の全件非開示を受けたため、第2の請求として「なぜ非開示にしたのか、その理由を書いた文書」を請求した。返ってきたのが、表題1行以外すべて黒塗りの文書だった。
出てきた「黒塗り文書」——何が書かれていたか
黒塗り文書で唯一判読できたのは表題の1行だ。
赤い羽根福祉基金女性に関わる情報公開請求への対応について
この表題以外、本文・日付・作成者・宛先・内容——すべてが黒塗りにされていた。「非開示にした理由を書いた文書」の内容を非開示にするという、入れ子構造のような状態だ。
このポストは2023年6月24日のSNS投稿として約800万インプレッション・4.7万いいね・1.7万リツイートを記録した。「赤い羽根共同募金に公文書開示請求した結果 黒い海苔養殖業者?」というキャプションがSNS上で広まり、黒塗り文書はそのビジュアルのインパクトから「海苔弁」と呼ばれるようになった。
浜田聡参議院議員もこの件を自身のブログで取り上げ、「何だこれは?開示請求の意味が全くありません。こういうことが起こると、余計あやしいと思うのが自然です」とコメントした。
非開示の法的根拠——なぜ黒塗りにできるのか
中央共同募金会が書類を非開示にした法的根拠は公表されていないが、社会福祉法人が情報開示を拒否できる理由として一般的に挙げられるのは以下のような事由だ。
- 申請団体の「営業上の秘密」「法人等の利益を害するおそれがある情報」
- 個人のプライバシーに関わる情報
- 開示することで今後の審査の公正性を損なうおそれがある情報
しかし重要なのは、こうした非開示事由の判断を行うのが中央共同募金会自身だという点だ。第三者機関によるチェックはなく、「なぜ非開示にしたか」を示す文書も黒塗りにできるという構造は、チェックが機能しにくい状態を生んでいる。
黒塗りが示したもの
今回の一連の開示請求から確認できた事実と確認できなかった事実を整理する。
確認できた事実
- WBPCに関する「赤い羽根福祉基金女性に関わる情報公開請求への対応について」という文書が存在する
- 中央共同募金会はWBPC関連書類の全件非開示を決定した
- 非開示の理由を記した文書も、ほぼ全面を黒塗りにした
確認できなかった事実
- 非開示にした具体的な理由
- WBPCの応募書類・収支報告・覚書の内容
- 選考過程でどのような議論があったか
「黒塗り=隠蔽」とは言い切れない。情報を保護する正当な理由が存在する可能性は否定できない。しかし、非開示の理由すら開示しないという対応は、「なぜ非開示なのか」という疑問に答えておらず、透明性への疑念を払拭するどころかむしろ高めた。
赤い羽根が「透明性の確保」を掲げながら、具体的な情報開示請求に対してここまで徹底した非開示姿勢を取ったことは、多くの寄付者に「何かを隠しているのではないか」という印象を与えた。
非開示の理由すら非開示という対応が残した疑念
- 2023年6月、暇空茜氏がWBPC関連の書類開示を中央共同募金会に請求したが全件非開示
- 「非開示にした理由」を求める第2の請求に対しては、表題1行以外ほぼ全面黒塗りの文書が返された
- 表題「赤い羽根福祉基金女性に関わる情報公開請求への対応について」のみ判読可能
- このポストは約800万インプレッションを記録し、赤い羽根への不信感を広げた
- 黒塗り自体が直ちに不正を意味するわけではないが、非開示理由すら非開示という対応は透明性への疑念をむしろ高めた

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