議論・炎上

赤い羽根はColaboに総額いくら出したのか。公式データで見るWBPC4団体への助成全容

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赤い羽根はColaboに総額いくら出したのか。公式データで見るWBPC4団体への助成全容

2023年1月、「赤い羽根がColaboに2,680万円を助成していた」という情報がSNSで拡散し、赤い羽根共同募金への問い合わせが殺到した。しかし実態はColabo1団体だけではなかった。WBPC(若年被害女性等支援4団体)と呼ばれるColabo・ぱっぷす・若草プロジェクト・BONDプロジェクトのすべてが、赤い羽根から助成を受けていた。本記事では公式データをもとに全容を整理する。

まず整理——「赤い羽根共同募金」と「赤い羽根福祉基金」は別制度

炎上の際に混乱を招いた最大の原因が、「赤い羽根共同募金」と「赤い羽根福祉基金」という2つの制度の混同だ。まずここを整理する。

赤い羽根共同募金 赤い羽根福祉基金
運営主体 都道府県共同募金会(47法人) 中央共同募金会(1法人)
財源 街頭・自治会・職域での募金 企業・団体・個人からの直接寄付
法的根拠 社会福祉法第112条 なし(中央共同募金会の独自基金)
助成上限 規定なし(都道府県ごとに異なる) 年間1,000万円(最大3年間)
助成対象 社会福祉を目的とする事業(社会福祉法117条) 既存制度では対応できない先駆的・全国的な取り組み

中央共同募金会は2023年1月10日のリリースで「ColaboとぱっぷすへRの助成は赤い羽根共同募金(いわゆる赤い羽根募金)によるものではなく、赤い羽根福祉基金によるものだ」と説明した。財源が異なるという説明自体は事実だ。しかしこの説明は炎上を収めるどころか、4団体のうち若草プロジェクトとBONDプロジェクトに触れていないとして、さらに批判を招いた。

WBPC4団体への助成——全件一覧

公式サイト・公開資料・報道から確認できるWBPC4団体への助成をすべて整理する。

団体 助成元 金額 期間 用途
Colabo 赤い羽根福祉基金 2,680万円 2018〜2020年度 バスカフェ購入費・運営費
Colabo 居場所を失った人への緊急活動応援助成(コロナキャンペーン) 298万円 2020年度 コロナ禍の緊急支援
ぱっぷす 赤い羽根福祉基金 2,700万円 2020〜2022年度 デジタル性被害相談支援体制整備
若草プロジェクト 赤い羽根福祉基金 1,000万円 2020年度 若年女性支援モデル事業
BONDプロジェクト 赤い羽根共同募金(東京都) 1,422万円相当 2018・2020・2021年度 化粧品等の物品寄付

出典:中央共同募金会公式サイト(2023年1月10日リリース)・はねっと公開データベース・各種公開情報より

4団体への助成合計は確認できるだけで約8,100万円(うち赤い羽根共同募金から1,422万円相当・赤い羽根福祉基金から約6,680万円)に上る。

Colabo——2018〜2020年3年間で合計2,978万円

Colaboへの助成は「赤い羽根福祉基金」から2018〜2020年度の3年間にわたり行われた。年度別の内訳は2018年度700万円、2019年度980万円、2020年度1,000万円で、合計2,680万円だ。

赤い羽根福祉基金は年間助成上限1,000万円・最大3年間という設計になっており、Colaboはこの上限に近い水準で3年連続の助成を受けたことになる。

助成金の用途として中央共同募金会は「都内の繁華街において行っているバスカフェ Tsubomi Caféの実施のためのマイクロバス購入費及び同事業の運営費」と説明した。このバスカフェは、Colaboが夜間の繁華街でティーンエイジャーの女性に声をかけ、飲み物や食べ物を提供しながら相談に乗るアウトリーチ活動だ。

ここで問題になるのが「重複助成」の可能性だ。赤い羽根福祉基金の助成要項には「公的な補助や他の団体による助成を受けていない活動を対象とする(ただし、他の助成を受けていても、経費の明確な区分が行われることを条件に応募できる)」と定められている。Colaboは2020年度に福祉基金(1,000万円)とコロナキャンペーン助成(298万円)を同時に受けており、合計で2,978万円が1団体に集中した。

さらにColaboは当時、東京都の若年被害女性等支援モデル事業の委託先でもあり、公的資金も受け取っていた。「公的補助を受けていない活動が対象」という要件との整合性を問う声が上がったが、中央共同募金会は「経費の区分が行われている」として問題なしとした。

ぱっぷす——2020〜2022年3年間で2,700万円

NPO法人ぱっぷす(ポルノグラフィの被害から女性と子どもを守る会)への助成は2020年度から2022年度の3年間で計2,700万円。事業名は「デジタル性被害に合われた女性に対する相談支援体制を整備するための事業」だ。

ぱっぷすもColaboと同様、年間最大1,000万円の3年間助成を受けたことになる。助成金は相談事業における相談員の人件費・電話代等に充当されたと中央共同募金会は説明している。

2023年1月10日の中央共同募金会リリースでColaboとともに公表されたのはぱっぷすのみだった。若草プロジェクトとBONDプロジェクトの名前はこのリリースに登場しない。

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若草プロジェクト——1,000万円助成と「無言削除」問題

若草プロジェクト(代表呼びかけ人:村木厚子・元厚生労働事務次官)への助成は2020年度に1,000万円(赤い羽根福祉基金)が確認されている。

この助成をめぐって特に問題視されたのが、2022年11月に赤い羽根公式サイト上の若草プロジェクトへの助成リリースが「差し替え」られたという事実だ。Colabo問題がSNSで注目を集め始めた時期と重なっており、ネット上では「炎上を見越して削除した」という批判が相次いだ。

さらに2023年1月10日の中央共同募金会リリースでは、Colaboとぱっぷすへの助成には言及したが、若草プロジェクトとBONDプロジェクトには触れなかった。この「選択的な公表」に対して、「なぜ4団体全部に言及しないのか」という批判が起き、炎上がさらに拡大した。

若草プロジェクトをめぐっては、事業報告の内容についても疑問の声が上がった。Colabo等への批判的調査で知られる個人ブロガー・暇空茜氏がnote上で、若草プロジェクトの事業計画書・報告書を分析し、「アロマセラピー1回を自立支援1件としてカウントしている」「チラシ6,000枚の郵送を声かけ6,000件としてカウントしている」と指摘した。この指摘は中央共同募金会や第三者機関による公式な調査結果ではなく、あくまで一個人による分析・主張である点には留意が必要だ。

BONDプロジェクト——「共同募金」から1,422万円相当の物品助成

NPO法人BONDプロジェクト(代表:橘ジュン)への助成は、他の3団体と異なり「赤い羽根共同募金(東京都共同募金会)」からの物品助成だ。2018年度・2020年度・2021年度に化粧品等を中心とした物品の寄付が行われており、金額換算で1,422万円相当とされる。

この点は炎上時にほとんど注目されなかったが、実は重要な意味を持つ。中央共同募金会が「ColaboとぱっぷすへRの助成は赤い羽根共同募金ではなく赤い羽根福祉基金からだ」と説明したのに対し、BONDへの助成は「街頭募金として集められた赤い羽根共同募金」から出ているからだ。

さらに「共同募金の配分を受けた者は、その配分を受けた後1年間は事業経営に必要な資金を得るために寄附金を募集してはならない」(社会福祉法第122条)という規定との関係も問題提起された。BONDは助成を受けながらも並行して自己資金の寄附を募集していたとされ、この規定との整合性が問われた。

中央共同募金会の対応——何が批判されたのか

2023年1月10日の中央共同募金会リリースには、いくつかの問題点が指摘された。

① 4団体のうち2団体しか言及しなかった リリースが取り上げたのはColaboとぱっぷすのみで、若草プロジェクトとBONDプロジェクトへの助成には触れなかった。「情報を選択的に公表することで問題を矮小化しようとしている」という批判が起きた。

② Colaboへの助成額が過少報告だった リリースでは「Colaboへの助成は計2,680万円」としていたが、これは赤い羽根福祉基金分のみの金額だ。コロナキャンペーン助成(298万円)を合計すると2,978万円になる。リリースはこの298万円分に触れていなかった。

③ 論点のすり替えという批判 リリースの主旨は「赤い羽根募金ではなく赤い羽根福祉基金から出ている」という財源の違いの説明だった。しかしネット上の批判は「財源がどこであれ赤い羽根という組織がこれらの団体に助成したこと自体」に向けられており、財源の違いを強調したことで「論点をすり替えている」という批判を受けた。

中央共同募金会はその後、追加の説明を行ったが、若草プロジェクトへの助成についての詳細な公式説明は行われていない。

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財源の違いでは収まらなかった説明責任の問題

  • 赤い羽根からWBPC4団体への助成合計は確認できるだけで約8,100万円
  • Colaboへは赤い羽根福祉基金2,680万円+コロナキャンペーン助成298万円の合計2,978万円
  • ぱっぷすへは赤い羽根福祉基金から2,700万円(2020〜2022年度)
  • 若草プロジェクトへは赤い羽根福祉基金から1,000万円(2020年度)。助成リリースが2022年11月に差し替えられた
  • BONDプロジェクトへは赤い羽根共同募金(東京都)から1,422万円相当の物品助成(2018・2020・2021年度)
  • 2023年1月10日の中央共同募金会リリースはColaboとぱっぷすのみに言及し、若草・BONDを含めなかったことで批判を受けた

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