赤い羽根がLGBTQ団体に助成。プライドセンター大阪への支援と賛否の構図
赤い羽根共同募金がLGBTQ支援団体に助成していることは、公式サイトで確認できる事実だ。本記事では確認できた助成案件を整理し、どの資金枠から出ているのか、そして賛否の議論の構図を整理する。
プライドセンター大阪への助成
大阪・天満橋にある「プライドセンター大阪」は、認定NPO法人虹色ダイバーシティが2022年から運営する大阪唯一の常設LGBTQセンターだ。誰でも無料で利用できるオープンスペースで、750冊以上のLGBTQ関連書籍・相談窓口・各種イベントを提供している。年間維持費は約2,500万円(家賃・人件費等)とされている。
赤い羽根福祉基金の公式サイトは、プライドセンター大阪を「赤い羽根福祉基金の助成を活用した事例」として明示的に紹介している。助成の具体的な内容は「中高生向け体験型学習プログラム」と「教職員を対象にした交流会」だ。
中高生向けプログラムは「大阪の天満橋にあるプライドセンター大阪を活用して、性の多様性や社会を変えるアクションについて学ぶ」約60分のプログラムで、虹色ダイバーシティのスタッフが講師を務める。このプログラムは赤い羽根福祉基金・大阪府NPO等活動支援による社会課題解決事業・積水ハウスマッチングプログラムの3者の助成を受けて開発・実施されたと虹色ダイバーシティの公式サイトに明記されている。
NPO法人QWRCへの助成
NPO法人QWRC(くぉーく)は2003年設立のLGBTQ・女性支援団体で、フェミニズムの視点を重視しながら相談・居場所提供・イベント開催などを行っている。プライドセンター大阪のオープンスペースのフロア担当も務めている。
QWRCは「赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 居場所を失った人への緊急活動応援助成 第7回(2023年4月〜2024年3月)」から「LGBTQのための相談・集まりやすい居場所事業」として助成を受けた。QWRCの公式サイトは2024年7月に「助成のお礼」を掲載しており、助成を受けた事実が確認できる。
確認できた助成案件一覧
| 団体名 | 事業名 | 助成枠 | 時期 |
|---|---|---|---|
| 認定NPO法人虹色ダイバーシティ(大阪) | 中高生向け体験型学習プログラム・教職員交流会(プライドセンター大阪) | 赤い羽根福祉基金 | 2024〜2025年度 |
| NPO法人QWRC(大阪) | LGBTQのための相談・集まりやすい居場所事業 | 居場所を失った人への緊急活動応援助成(第7回) | 2023〜2024年度 |
出典:赤い羽根共同募金公式サイト・各団体公式サイト(当サイト調査)
どの助成枠から出ているか
確認できたLGBTQ関連の助成はいずれも「赤い羽根福祉基金」または「居場所を失った人への緊急活動応援助成」からの拠出だ。どちらも財源は企業・個人からの直接寄付であり、街頭・自治会で集められる赤い羽根共同募金(街頭募金)とは財源が異なる。
この点は2023年1月のColabo問題炎上時に中央共同募金会が強調した論点と同じだ。「街頭で集めた募金ではなく、企業・個人が特定目的に寄付した資金からの助成だ」という説明は一定の整合性を持つ。しかし「どちらも赤い羽根というブランドのもとで行われている」という事実に変わりはない。
議論の構図——賛否の整理
赤い羽根がLGBTQ支援団体に助成することへの賛否は、価値観の問題を含むため単純には決着しない。それぞれの立場の論点を整理する。
助成を支持する側の論理
性的少数者(LGBTQ)は日本国内に人口の約10%存在するとされ、職場・学校・家庭での差別・偏見・孤立という課題を抱えやすい。自殺リスクが非LGBTQ者と比べて高いという調査結果もある。こうした「社会的弱者の支援」は広義の社会福祉の範疇に含まれるという立場だ。赤い羽根福祉基金は「既存制度や施策では対応できない制度の狭間にある課題」への助成を掲げており、LGBTQへの支援はその趣旨に合致するという考え方だ。
助成に疑問を呈する側の論理
社会福祉法第117条は共同募金の配分先を「社会福祉を目的とする事業を経営する者」に限定している。LGBTQの権利擁護・啓発活動が同法上の「社会福祉事業」に該当するかどうかは解釈が分かれる。また「中高生向け体験型学習プログラム」のような啓発・教育事業が「社会福祉の課題解決」なのか「特定の価値観の普及」なのかという議論もある。さらに「募金はもともと高齢者福祉や障害者支援のためのものだと思っていた」という寄付者の認識とのずれを指摘する声もある。
この問題について、赤い羽根から公式な見解・説明は出ていない。
財源は異なるが問われるブランドの説明責任
- 認定NPO法人虹色ダイバーシティ(プライドセンター大阪)への助成が赤い羽根福祉基金から行われていることが公式サイトで確認できる
- NPO法人QWRCへの「LGBTQのための居場所事業」への助成も居場所助成第7回として確認できる
- いずれも財源は赤い羽根福祉基金・居場所助成であり、街頭募金とは財源が異なる
- 支持側は「LGBTQの孤立・自殺リスクは社会福祉の課題」、疑問側は「社会福祉法上の根拠が不明確」「寄付者の認識とずれがある」と主張
- 赤い羽根から公式な説明は出ていない

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