外国人・助成先

赤い羽根の外国人向け助成の全容。専用プログラムと都道府県助成の二重構造

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赤い羽根の外国人向け助成の全容。専用プログラムと都道府県助成の二重構造

赤い羽根共同募金の外国人向け助成といえばクルド人支援が話題になりやすい。しかし実態はそれだけではない。中央共同募金会は「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」という専用の助成プログラムを2020年から継続的に実施しており、2026年時点で第7回を迎えている。本記事ではその全容を整理する。

専用プログラムの存在——「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」

中央共同募金会は2020年度、新型コロナウイルス感染拡大下での生活困窮者支援を目的に、公益財団法人三菱財団との共同助成として「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成(第1回)」を開始した。第2回(2021年度)から第6回(2025年度)までは「赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン」を財源とし、2026年度の第7回からは赤い羽根福祉基金(企業・個人からの直接寄付)を財源に切り替えて継続している。

プログラムの目的について、公式サイトは「コロナ禍の長期的影響等により深刻化・長期化した生活困窮や社会的孤立状態等、国内に在住し、さまざまな困難の状況にある外国にルーツがある人々を支援する活動を資金面から応援する」と説明している。第7回(2026年度)も引き続き公募が行われており、助成は継続中だ。

4つのプログラムの内容

プログラム 内容 支援例
①生活支援 生活困窮状態にある外国にルーツがある人への直接支援 食料支援・住居確保・医療アクセス支援
②共生促進 外国にルーツがある人々の孤立を防ぎ地域共生を促進する活動 多文化交流・自治会・PTA等との連携
③中間支援 外国人支援団体のネットワーク構築・支援者育成 弁護士・行政書士による相談会・支援団体連携
④調査研究 外国にルーツがある人々の実態把握・課題分析 就学状況調査・多文化共生コンソーシアム構築

出典:赤い羽根共同募金公式サイト「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」

このプログラムは外国人支援を「社会福祉の一環」として明示的に位置づけており、クルド人支援のような個別の助成とは異なり、外国人支援を目的とした専用枠として設計されている点が特徴だ。

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確認できた主な助成先

赤い羽根公式サイトで確認できる外国人向け助成先の事例は以下の通りだ。

NPO法人NICAN(全国) 在住外国人向け専門家相談及び地域支援者へのサポート事業。弁護士・行政書士などによる外国人相談窓口を全国で運営。「中間支援・ネットワーク支援プログラム」として助成。

NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン(東京都杉並区) 「杉並区内の多文化共生社会づくりのための調査研究事業」。外国ルーツの子どもの就学状況を調査し、区内の支援団体・行政機関と連携する「多文化共生コンソーシアム」を構築。「調査研究プログラム」として助成。

NPO法人Community Life(愛媛県松山市) 「外国人支援ネットワーク構築と支援団体の育成事業」。松山市の外国人人口は2023年の3,599人から2024年に4,758人に増加しており、急増する外国人への対応として支援ネットワークを強化。「中間支援プログラム」として第5回・第7回と複数年助成。

在日韓国人福祉会(東京都) 孤立する外国人高齢者の支援事業として1,473,482円を助成(2021年)。都道府県共同募金会の通常助成枠からの拠出。

イスラム教徒向けセーフティネット構築事業 詳細は非公開だが、イスラム教徒の生活困窮者向け支援として助成が行われた記録がある。

クルド人支援との関係——二重構造になっている

ここで重要なのは、クルドを知る会・在日クルド人と共に・NPO法人メタノイアへの助成は、この「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」プログラムとは別枠であるという点だ。

クルド人支援への助成は埼玉県共同募金会の通常の助成として行われており、財源は都道府県レベルの赤い羽根共同募金(街頭・自治会募金)だ。一方、「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」は中央共同募金会が三菱財団と組んで行う全国規模の専用プログラムであり、財源が異なる。

つまり赤い羽根による外国人支援は以下の二重構造になっている。

  • 都道府県レベル(通常助成):各都道府県の共同募金会が独自に外国人支援団体に助成。クルド人支援等はここから出ている
  • 全国レベル(専用プログラム):中央共同募金会が「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」として全国規模で助成

この二重構造の存在は、これまであまり知られていなかった。

社会福祉法117条との整合性

「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」の存在は、赤い羽根の公式立場を示している。中央共同募金会は外国人支援を「社会福祉の一環」として明示的に位置づけており、専用プログラムを設けてまで推進している。これは「外国人支援は社会福祉法117条が認める社会福祉の範疇に含まれる」という解釈に基づく判断だ。

一方、浜田聡参議院議員が2023年に質問主意書で問題提起したように、在留資格を持たない仮放免者への支援が「社会福祉を目的とする事業」に当たるかは解釈が分かれている。中央共同募金会は専用プログラムを通じて外国人支援を「社会福祉」として積極的に定義しようとしているが、法律の条文上の根拠については明示的な説明を行っていない。

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都道府県枠と全国枠、財源の違いが生む見えにくさ

  • 赤い羽根には「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」という専用プログラムがあり、2020年度の第1回から継続し、2026年度は第7回を迎えている
  • 財源は第1〜6回が「赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン」、第7回(2026年度)からは赤い羽根福祉基金。生活支援・共生促進・中間支援・調査研究の4プログラムで構成される
  • クルド人支援への助成は都道府県共同募金会の通常助成であり、この専用プログラムとは別枠
  • 赤い羽根による外国人支援は都道府県レベルと全国レベルの二重構造になっている
  • 専用プログラムの存在は「外国人支援は社会福祉の範疇」という赤い羽根の公式立場を示しているが、法律上の根拠については明示的な説明がない

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