三重県の令和6年度助成は、大半が社協と共同募金会に向かう

データ・独自分析
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三重県の赤い羽根共同募金、令和6年度の助成記録を集計すると、金額のほとんどが市町の社会福祉協議会(社協)と共同募金会に向かっていた。それ以外の団体への助成をたどると、今度は何十もの団体をひとまとめにした記録が上位を占め、誰が受け取ったのかが見えにくくなっている。はねっと公開データベースを当サイトが独自に集計し、その中身を分析する。

三重県の令和6年度助成は、大半が社協と共同募金会に向かう

まず、三重県で令和6年度に記録された助成の全体像を確認しておく。

2億6,842万円助成総額
622件助成件数
308団体助成先団体数
約43万円1件あたり平均

出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度)

このうち、社協と共同募金会が占める割合を、団体数と金額の両方で比べた。

出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度、「社協」の略称表記を含む)

助成先308団体のうち、社協・共同募金会は4割弱だが、助成金額全体の約9割を受け取っている。その他の団体に直接届いたのは、金額全体の1割に満たない。社協は受け取ったお金を地区の活動へさらに配る役割を持つため、集中そのものは仕組みから生まれる面がある。ただ、ここまで偏ると、募金の行き先を知るには社協から先の流れを追う必要がある。

上位には共同募金会自身と下部組織も並ぶ

団体別に金額を合計すると、市の社協に混じって、募金を集める側の組織が上位に入っていた。以下は308団体のうち、金額の大きい上位5団体を抜き出したもので、全団体の一覧ではない。

団体名 金額 件数
鈴鹿市社会福祉協議会 2,735万円 30件
松阪市社会福祉協議会 2,455万円 57件
三重県共同募金会 2,322万円 7件
四日市市社会福祉協議会 1,967万円 5件
三重県共同募金会桑名市共同募金委員会 1,827万円 18件

出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度、上位5団体のみ)

三重県共同募金会の7件には、「災害準備金積立」の880万円が含まれている。準備金は大規模な災害に備えて共同募金会が手元に積み立てるお金で、この時点ではどの団体にも渡っていない。さらに別の1件では、備品購入、児童養護施設の卒業祝金・自立支援金、母子生活支援施設の入学祝金、里子支援金など6つの事業が、ひとつの記録にまとめて776万円と書かれている。事業ごとの金額はこの記録からはわからない。

5位の桑名市共同募金委員会は、共同募金会の市単位の下部組織だ。18件のうち最も大きいのは「地区社会福祉協議会の育成支援」の634万円で、募金を集める組織から地区の社協へとお金が渡る経路が、記録の上ではもう一段挟まっている。

社協への助成には見舞金や広報誌の発行費も含まれる

社協が受けた助成の中身を、事業ごとの金額で見ると、地域の福祉活動とは性格の違う事業も上位に入っていた。

事業名 金額 件数
たすけあい見舞金配分事業 900万円 1件
小地域福祉活動推進事業 757万円 2件
高齢者会食サービス 418万円 1件
広報「社協すずか」発行 410万円 1件

出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度、事業別上位10件より抜粋)

1件の助成として県内で最も大きいのは、四日市市社協の「たすけあい見舞金配分事業」だった。見舞金は一般に、病気や災害などにあった個人へ届けられるお金で、施設や団体の活動を支える助成とは使われ方が異なる。また、「社協すずか」は事業名から社協の広報誌とみられ、その発行費が事業別で上位10位に入っている。広報誌は地域に福祉の情報を届ける役割を持つが、寄付した人が想像する「困っている人への支援」とは距離のある使い道だ。

何十もの団体をひとまとめにした記録が上位を占める

社協・共同募金会を除いた残りの1割弱が、どこに届いたのかも確かめた。すると、上位は個別の団体ではなく、複数の団体をまとめた記録が占めていた。

団体名の欄 事業名 金額
福祉団体 ふれあいサロン活動助成事業ほか 221万円
名張市ふれあいいきいきサロン 地域見守り事業(全70団体・全59団体) 220万円
名張市内ボランティア団体 ボランティア活動事業(全33団体) 150万円
地域見守り活動者 地域見守り活動事業 99万円
名張市福祉協力校 福祉協力校活動事業(全20団体) 96万円
市内福祉活動団体 市内福祉活動団体助成事業 67万円
市内福祉協力校 福祉協力校での福祉教育推進事業 51万円

出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度、社協・共同募金会を除く上位7件)

社協・共同募金会を除いた上位7件は、すべてこうした記録だった。名張市のサロンへの助成は、事業名に「全70団体」とあり、1件の記録の裏に数十の団体がある。「福祉団体」「地域見守り活動者」のように、どのような団体なのかすら書かれていないものもある。合計額はわかっても、個々の団体がいくら受け取ったのかは、公開データからはたどれない。

個別の名前で記録されている団体を探すと、「亀山みんなの食堂」や子育て世帯の支援拠点を整備するNPO法人に50万円、「みんなの食堂こむすび舎めいわ町」のフードバンク事業に30万円といった助成が続く。子ども食堂や食料支援のように中身のわかる助成は、まとめ記録の後ろに並んでいる。

受け取った回数にも同じ影響が出ている。社協・共同募金会を除いて3件以上の助成を受けた団体は、鈴鹿市身体障害者福祉協会の1団体だけだった。全体でも助成先308団体の4分の3が1件だけの受給で、繰り返し受け取る団体はほとんど見えない。ただし、まとめ記録の中にいる団体が毎年同じ顔ぶれだったとしても、この形式では確かめようがない。団体名が空欄の記録も1件あった。

まとめて記録された助成が三重県の使い道を見えにくくする

三重県の助成記録からは、金額の大半が社協と共同募金会に向かい、その先は見舞金や広報誌、さらに何十もの団体をひとまとめにした記録へと分かれていく流れが見えてきた。共同募金会自身の記録でも、複数の事業が1件にまとめて書かれている。総額は公開されていても、誰が何のためにいくら受け取ったのかまでは届かない記録が多いことが、三重県のデータの特徴だ。令和6年度(2024年度)の三重県助成先一覧では、今回取り上げきれなかった団体も含めて確認できる。

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