結論から述べます。災害時の寄付は、被災自治体への直接寄付が一択です。赤い羽根共同募金を経由する必要はありません。理由は大きく二つあります。一つは資金の流れが自治体直接よりも見えにくくなること、もう一つは組織運営面の不祥事が2026年に発覚していることです。ただし後者は北海道共同募金会という一支部で起きた事案であり、他の都道府県すべてに同じ問題があるという意味ではありません。以下、過去の災害対応を一覧化したうえで詳しく説明します。
災害寄付は自治体へ ― 赤い羽根募金を通すべきでない理由
赤い羽根の災害支援には「義援金」と「ボラサポ(災害ボランティア・NPO活動サポート募金)」の2種類があります。義援金は被災自治体・日本赤十字社・報道機関などで構成される配分委員会を経て、最終的に被災者へ配分される仕組みです。ボラサポは被災地で活動するボランティア団体・NPOへの助成金であり、被災者本人へ直接渡るものではありません。
いずれの仕組みも、最終的な受け取り手に届くまでに複数の団体・手続きを経由します。被災都道府県・市区町村は多くの場合、独自の義援金窓口を設けています。経由段階が少ないほど、資金の流れは追いやすくなります。
過去の主要災害対応一覧
| 発生年 | 災害名 | 赤い羽根の対応 |
|---|---|---|
| 2011年 | 東日本大震災 | ボラサポにより2016年1月までのべ9,876件・総額41億7,931万円を助成。別枠の災害等準備金により、災害ボランティアセンター約150か所へ総額8億8,000万円を支援 |
| 2016年 | 熊本地震 | 「ボラサポ・九州」により住民支え合い活動へ1,288件・約5.7億円を助成 |
| 2024年1月 | 令和6年能登半島地震 | 石川・新潟・富山・福井4県を対象に「ボラサポ・令和6年能登半島地震」を実施。2026年1月時点で第10回助成の募集まで進んでいる |
| 2024年7月 | 令和6年7月大雨災害 | 義援金を募集 |
| 2025年(通年) | 台風・豪雨・地震・火災 複数件 | トカラ列島近海地震、台風8号、熊本・鹿児島の8月豪雨、台風15号(静岡)、台風12号(鹿児島)、大分市佐賀関大規模火災、青森県東方沖地震など、当サイトで確認できただけで9件、個別に義援金を募集 |
| 2026年7月28日 | 令和8年熊本地震 | 「ボラサポ・令和8年熊本地震」の寄付受付を開始 |
義援金の新規募集は、当サイトで確認できるだけでも年数件から10件近いペースで発生しており、災害の頻発化がうかがえます。
出典:赤い羽根共同募金 公式サイト公表分(当サイト集計)
組織運営面の問題
2026年6月14日、北海道共同募金会は共同募金にかかる使途不明金が発生したと発表しました。中央共同募金会は、指導監督する立場の職員による不正行為で、募金会にあるべき金銭が不足している疑いがあるとして、これを重く受け止めるとの見解を示しています。
この事案を受け、千歳市社会福祉協議会(地区の共同募金委員会)など道内の複数の窓口には、本年度助成金の交付時期の遅延と配分額の減額が北海道共同募金会から通知されています。募金という善意の資金が、本来届くはずだった地域福祉活動に届かなくなっている状態です。
中央共同募金会はこの事案をふまえ、2026年7月17日、全国の都道府県共同募金会を対象とした出納業務適正実施のための緊急一斉点検の結果を公表しました。裏を返せば、それまで全国規模での経理体制の一斉点検が行われていなかったということでもあります。当サイトが別記事で分析したように、はねっとに登録されている助成額が公式募金総額の約83%にとどまり、残り約17%の使途を寄付者が確認できない構造も、こうした不透明さと無縁ではありません。
被災地に確実に届けたいなら、まず自治体の窓口を
赤い羽根募金は災害のたびに義援金・ボラサポという形で支援活動を続けてきました。一方で、資金が被災者に届くまでの経由段階の多さ、そして2026年に発覚した北海道共同募金会の使途不明金問題は、寄付先を選ぶうえで無視できない材料です。災害時に確実に被災地へ資金を届けたい場合は、被災都道府県・市区町村が設ける義援金窓口への直接寄付をおすすめします。
データ出典:中央共同募金会公式サイト公表情報(当サイト集計)

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