「赤い羽根の寄付は何に使われているのか」。本記事では福島県共同募金会が令和6年度(2024年度)に行った助成を当サイトが独自集計し、団体別・用途別に分析する。福島県は最高額の助成先が公開データ上「未確定」と表記されている点、障害福祉施設の車両・設備整備事業が上位に集中している点が特徴だ。
福島県の最高額3,434万円、受給団体は「未確定」。障害福祉施設の車両整備が上位を占める実態
1件あたり平均約45.9万円という水準は、後述の通り最高額が3,000万円を超える大型の助成を複数含むことの表れだ。781件のうち多くは、障害福祉施設の車両・設備整備のような数百万円規模の助成が占めている。
寄付総額と公開助成データの差
福島県の令和6年度の寄付総額は約4億488万円だった。一方、はねっと公開データベース上で確認できる助成総額は約3億5,889万円で、両者の間には約4,598万円の差がある。この差額は寄付総額の約11.4%にあたる規模だ。差の内訳が中央共同募金会への拠出金なのか、翌年度繰越なのか、事務費なのか、あるいは単にはねっとへの登録漏れなのかは、公開データだけでは判別できない。「集めた寄付がどこまで見える形で使われているか」を検証する本サイトにとって、この差額がどこにあるのかは最も重要な未解決の論点であり、今後の情報公開請求や追加調査の対象として記録しておく。
いわき市社協が52件で最多。最大金額の受給先は「未確定」
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度) 赤:受給団体が「未確定」表記のもの
| 団体名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 未確定 | 4,034万円 | 3件 |
| いわき市社会福祉協議会 | 3,742万円 | 52件 |
| 福島市社会福祉協議会 | 2,075万円 | 24件 |
| 郡山市社会福祉協議会 | 1,824万円 | 14件 |
| 福島県共同募金会 | 1,183万円 | 1件 |
| 須賀川市社会福祉協議会 | 863万円 | 16件 |
| 伊達市社会福祉協議会 | 821万円 | 10件 |
| 喜多方市社会福祉協議会 | 787万円 | 35件 |
| 二本松市社会福祉協議会 | 727万円 | 15件 |
| 福島県社会福祉協議会 | 621万円 | 2件 |
団体別金額でトップに立つのは、はねっと公開データベース上で受給団体名が「未確定」と表記されている3件・合計4,034万円だ。これは実在しない団体ではなく、公開データベース側で受給団体名が登録・公開されていない状態を指すと見られる。特定の団体を隠しているわけではなく、公開情報の限界としてそのまま記録しておく。実在の団体としての最多受給はいわき市社協で、52件・3,742万円と件数・金額ともに際立って多い。3位以下は福島市社協・郡山市社協と続き、いずれも件数10〜24件の範囲に収まっている。
最高額3,434万円の「緊急配分金」も受給団体は未確定
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度) 赤:受給団体が「未確定」表記 紫:車両整備関連
| 事業名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 緊急配分金 | 3,434万円 | 1件 |
| 送迎用車両整備事業 | 2,828万円 | 11件 |
| 地域福祉サービス事業(R7地域事業) | 1,299万円 | 8件 |
| 災害等準備金の積み立て | 1,183万円 | 1件 |
| 送迎用車両(車椅子仕様車)整備事業 | 1,063万円 | 4件 |
1位の緊急配分金は3,434万8,575円と単独で全体の約1割近くを占めるが、この助成についても受給団体は「未確定」と表記されている。2位の送迎用車両整備事業は11件・2,828万円と件数が複数にまたがっており、後述の通り障害福祉サービス事業所への車両整備助成が中心となっている。4位の災害等準備金の積み立ては福島県共同募金会自身が受給している。
障害福祉施設の車両・設備整備が集中
分類テーマ「障害者福祉」の内訳を見ると、上位のほとんどが障害福祉サービス事業所の送迎用車両整備や設備更新に関する助成で占められている。あたご共同作業所の生ごみ処理機整備事業、ふきのとう苑の浴槽整備事業、レスポアールやまつりの送迎用車両(車椅子仕様車)整備事業など、いずれも300万円規模の設備投資が並ぶ。共働作業所にんじん舎や大生信夫の里、デイサポートぴーなっつなど、複数の小規模事業所が送迎用車両整備事業として同種の助成を受けており、車両の老朽化対応が県内の障害福祉施設に共通する課題であることがうかがえる。
助成先の7割近くが単発の受給にとどまる
助成先192団体のうち126団体(約66%)は令和6年度に1件のみの助成を受けている。これはこれまで確認してきた他県(77〜82%)と比べてやや低い水準で、複数回にわたって助成を受ける団体の割合が相対的に高いことを示している。いわき市社協の52件を筆頭に、10件以上受給している団体が21団体存在する。
最高額と最低額、差は約42万倍
781件の助成の中で最高額は「緊急配分金」の3,434万8,575円(受給団体は未確定)、最低額は新地町社協の「地域福祉事業(R7)」でわずか81円だった。その差は約42万4,057倍にのぼる。3,000万円を超える緊急配分と、地域の一活動に充てられた100円未満の助成が同じ「助成」という枠組みに同居している。後者のような極小額の助成は、金額の大小ではなく地域の細かな活動を支える赤い羽根の性質を象徴する事例といえる。
よくある質問
Q. 「緊急配分金」の受給団体はなぜ未確定なのか。
A. はねっと公開データベース上で、この助成については受給団体名が記載されていない。特定の団体が意図的に匿名化されているのか、単に登録上の未記入なのかは、公開データだけでは判別できない。緊急配分金という名称から、通常の助成とは異なる特別な性質の資金である可能性があるが、詳細は現時点で確認できていない。

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