「赤い羽根の寄付は何に使われているのか」。本記事では山形県共同募金会が令和6年度(2024年度)に行った助成を当サイトが独自集計し、団体別・用途別に分析する。山形市社協が県内助成の約14%を単独で占める一方、上位事業のうち複数が困窮世帯への直接給付関連である点が特徴だ。
山形市社協が県内助成の14%を独占。令和6年度、赤い羽根のデータを独自集計すると
1件あたり平均約21.8万円という水準だが、後述の通り上位には数百万円規模の大口助成が集中しており、実際には数千円規模の小口給付が大半を占める。853件という件数の多さは、地域の細かな活動にまで助成が行き渡っていることを示している。
寄付総額と公開助成データの差
山形県の令和6年度の寄付総額は約2億4,490万円だった。一方、はねっと公開データベース上で確認できる助成総額は約1億8,590万円で、両者の間には約5,900万円の差がある。この差額は寄付総額の約24%にあたり、4分の1近くの規模だ。差の内訳が中央共同募金会への拠出金なのか、翌年度繰越なのか、事務費なのか、あるいは単にはねっとへの登録漏れなのかは、公開データだけでは判別できない。「集めた寄付がどこまで見える形で使われているか」を検証する本サイトにとって、この差額がどこにあるのかは最も重要な未解決の論点であり、今後の情報公開請求や追加調査の対象として記録しておく。
助成先団体ランキング
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度)
| 団体名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 山形市社会福祉協議会 | 2,583万円 | 34件 |
| 山形県共同募金会 | 707万円 | 3件 |
| 酒田市社会福祉協議会 | 698万円 | 5件 |
| 鶴岡市社会福祉協議会 | 690万円 | 5件 |
| 米沢市社会福祉協議会 | 685万円 | 17件 |
| 上山市社会福祉協議会 | 592万円 | 13件 |
| 天童市社会福祉協議会 | 529万円 | 13件 |
| 新庄市社会福祉協議会 | 521万円 | 14件 |
| 長井市社会福祉協議会 | 506万円 | 25件 |
| 高畠町社会福祉協議会 | 493万円 | 11件 |
山形市社協は2位以下を大きく引き離しており、件数34件で総額2,583万円と、県内の助成総額の約14%を単独で占める。2位の山形県共同募金会自体は3件のみで707万円を受給しており、大口の単発助成が中心だ。3位以下の市町村社協は件数5〜25件と幅があり、地域ごとに助成の受け方に差が見られる。
困窮世帯支援の事業が上位に集中
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度) 橙:困窮世帯支援関連 紫:施設整備 青:その他事業
| 事業名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 法定災害等準備金積立 | 700万円 | 1件 |
| 小地域福祉ネットワーク事業 | 609万円 | 1件 |
| 施設利用者送迎用車両購入事業 | 600万円 | 4件 |
| ふれあいいきいきサロンの活動推進事業 | 390万円 | 1件 |
| 社協だより発行事業 | 380万円 | 1件 |
上位10事業のうち4事業(要保護世帯への歳末激励金配分事業・歳末激励金配分事業・経済的に支援を必要とする世帯への配分事業・低所得世帯見舞金贈呈事業)が、困窮世帯への直接給付に関連する内容だ。1位の法定災害等準備金積立は山形県共同募金会自身が受給しており、2位の小地域福祉ネットワーク事業は山形市社協が受給している。「要保護世帯への歳末激励金配分事業」と「歳末激励金配分事業」はいずれも米沢市社協が中心となって実施しており、経済的に困窮する世帯への年末の見舞金として配分されている。
助成先の8割近くが単発の受給にとどまる
助成先402団体のうち312団体(約78%)は令和6年度に1件のみの助成を受けている。一方、長井市社協や山形市社協のように受給回数が10件を超える団体は少数にとどまり、多くの助成が単発・小口の形で広く分散していることがわかる。
山形県に寄付先を自分で選びたい場合の選択肢
赤い羽根共同募金は地域に細かく行き渡る一方で、寄付者自身が使い道を選ぶことはできない。山形県を直接応援したい場合は、返礼品つきで使い道をある程度選べる「ふるさと納税」という制度もある。返礼品は山形県の特産品や名産品が中心で、寄付額に応じて実質的な自己負担額を抑えながら地域を応援できる仕組みになっている。山形県にも、ふるさと納税を通じて選べる返礼品が複数用意されており、その一例を紹介する。
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最高額と最低額、差は7,000倍
853件の助成の中で最高額は山形県共同募金会が受給した「法定災害等準備金積立」の700万円、最低額は川西町社協の「傾聴ボランティア」でわずか1,000円だった。その差は7,000倍にのぼる。県レベルの災害準備積立と、地域の一活動に充てられた千円の助成が同じ「助成」という枠組みに同居している。後者のような少額の助成は、金額の大小ではなく地域の細かな活動を支える赤い羽根の性質を象徴する事例といえる。

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