「赤い羽根の寄付は何に使われているのか」。本記事では秋田県共同募金会が令和6年度(2024年度)に行った助成を当サイトが独自集計し、団体別・用途別に分析する。秋田県は由利本荘市社協が突出して多くの助成を受けている一方、上位事業のほとんどが単発の大型助成である点が特徴だ。
秋田・由利本荘市社協だけ受給50件。赤い羽根共同募金の令和6年度データを集計すると
1件あたり平均約32.4万円という水準は、地区社協活動費のような大口の単発助成が上位を占めていることの表れだ。実際には数千円規模の小口給付も多く、平均値だけでは実態をつかみにくい。
寄付総額と公開助成データの差
秋田県の令和6年度の寄付総額は約2億4,582万円だった。一方、はねっと公開データベース上で確認できる助成総額は約1億9,498万円で、両者の間には約5,084万円の差がある。この差額は寄付総額の約20.7%にあたる規模であり、金額として無視できない。差の内訳が中央共同募金会への拠出金なのか、翌年度繰越なのか、事務費なのか、あるいは単にはねっとへの登録漏れなのかは、公開データだけでは判別できない。「集めた寄付がどこまで見える形で使われているか」を検証する本サイトにとって、この差額がどこにあるのかは最も重要な未解決の論点であり、今後の情報公開請求や追加調査の対象として記録しておく。
助成先団体ランキング
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度)
| 団体名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 秋田市社会福祉協議会 | 2,961万円 | 8件 |
| 大仙市社会福祉協議会 | 1,597万円 | 42件 |
| 湯沢市社協 | 1,336万円 | 35件 |
| 由利本荘市社会福祉協議会 | 1,177万円 | 50件 |
| 秋田県共同募金会 | 1,086万円 | 5件 |
| 横手市社協 | 924万円 | 7件 |
| 大館市社会福祉協議会 | 684万円 | 6件 |
| 北秋田市社協 | 587万円 | 14件 |
| 美郷町社協 | 582万円 | 11件 |
| 能代市社会福祉協議会 | 572万円 | 4件 |
秋田市社協は8件で2,961万円と、件数が少ない分1件あたりの金額が大きく、大口の単発助成が中心となっている。対照的に、由利本荘市社協は50件、大仙市社協は42件、湯沢市社協は35件と件数が突出して多く、小口の助成を広く積み重ねる形で総額を伸ばしている。金額では秋田市社協が首位だが、地域への助成の広がりという点では由利本荘市社協が最も多くの活動を支えていることになる。
地区社協活動費が最多事業
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度) 青:福祉・地域活動系 紫:地域福祉・体制整備系 赤:災害準備 橙:歳末たすけあい関連
| 事業名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 地区社協活動費 | 1,276万円 | 1件 |
| 法定災害等準備金積立 | 730万円 | 1件 |
| 機器・機材・車両等貸出事業 | 618万円 | 1件 |
| みんなの居場所サポート事業 | 548万円 | 1件 |
| 地域福祉トータルケア推進事業(福祉でまちづくり事業)の推進 | 527万円 | 1件 |
上位10事業のうち9事業は1件のみの助成で構成されている。1位の地区社協活動費は秋田市社協が受給しており、2位の法定災害等準備金積立は秋田県共同募金会自身が受給している。唯一件数が多いのは10位の歳末たすけあい配分事業で、複数団体に分かれて配分されている点が他の上位事業とは性質が異なる。
助成先の8割超が単発の受給にとどまる
助成先260団体のうち214団体(約82%)は令和6年度に1件のみの助成を受けている。一方で由利本荘市社協や大仙市社協、湯沢市社協は受給回数が突出しており、社会福祉協議会が地域の複数事業を通じて頻繁に助成を受け取る構造がここでも見られる。
最高額と最低額、差は1万2千倍超
602件の助成の中で最高額は秋田市社協が受給した「地区社協活動費」の1,276万円、最低額は大仙市社協の「青少年育成市民会議(南外)」でわずか1,000円だった。その差は約1万2,760倍にのぼる。市レベルの社協活動運営費と、地域の一活動に充てられた千円の助成が同じ「助成」という枠組みに同居している。後者のような少額の助成は、金額の大小ではなく地域の細かな活動を支える赤い羽根の性質を象徴する事例といえる。
秋田県に寄付先を自分で選びたい場合の選択肢
赤い羽根共同募金は地域に細かく行き渡る一方で、寄付者自身が使い道を選ぶことはできない。秋田県を直接応援したい場合は、返礼品つきで使い道をある程度選べる「ふるさと納税」という制度もある。返礼品は秋田県の特産品や名産品が中心で、寄付額に応じて実質的な自己負担額を抑えながら地域を応援できる仕組みになっている。秋田県にも、ふるさと納税を通じて選べる返礼品が複数用意されており、その一例を紹介する。
|
|
よくある質問
Q. 秋田市社協はなぜ件数が少ないのに金額が最も大きいのか。
A. 公開データ上、秋田市社協は「地区社協活動費」のような1件あたり1,000万円を超える大型の単発助成を受給しており、由利本荘市社協や大仙市社協のように多数の小口助成を積み重ねる形とは受給の性質が異なる。

コメント