「赤い羽根の寄付は何に使われているのか」。本記事では宮城県共同募金会が令和6年度(2024年度)に行った助成を当サイトが独自集計し、団体別・用途別に分析する。宮城県は最高額・2位ともに共同募金会自身が受給した防災関連事業で占められている点、また募金種別では広域募金が地域募金を上回っている点が特徴だ。
赤い羽根、宮城県では広域募金が地域を上回っていた(令和6年度データ)
1件あたり平均約42.6万円という水準は、後述の通り最高額が3,000万円を超える突出した事業を含むためで、実際には数千円規模の小口給付も多い。743件という件数の多さは、地域の細かな活動にまで助成が行き渡っていることを示している。
寄付総額と公開助成データの差
宮城県の令和6年度の寄付総額は約3億8,815万円だった。一方、はねっと公開データベース上で確認できる助成総額は約3億1,676万円で、両者の間には約7,139万円の差がある。この差額は寄付総額の約18.4%にあたる規模だ。差の内訳が中央共同募金会への拠出金なのか、翌年度繰越なのか、事務費なのか、あるいは単にはねっとへの登録漏れなのかは、公開データだけでは判別できない。「集めた寄付がどこまで見える形で使われているか」を検証する本サイトにとって、この差額がどこにあるのかは最も重要な未解決の論点であり、今後の情報公開請求や追加調査の対象として記録しておく。
広域募金が地域募金を上回る
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度)
宮城県では「赤い羽根共同募金(広域)」が1億3,347万円と最も多く、「赤い羽根共同募金(地域)」の1億879万円を上回っている。広域募金は146件、地域募金は422件と、広域募金の方が件数は少ないながら1件あたりの金額が大きい大口の助成に使われていることがわかる。「歳末たすけあい」は6,851万円で3番目、「NHK歳末たすけあい」は597万円で最も少ない。
助成先団体ランキング
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度)
| 団体名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 宮城県共同募金会 | 5,178万円 | 6件 |
| 仙台市社会福祉協議会 | 2,612万円 | 6件 |
| 栗原市社会福祉協議会 | 1,811万円 | 13件 |
| 気仙沼市社会福祉協議会 | 1,066万円 | 8件 |
| 石巻市社会福祉協議会 | 760万円 | 35件 |
| 白石市社会福祉協議会 | 735万円 | 8件 |
| 大崎市社会福祉協議会 | 642万円 | 37件 |
| 多賀城市社会福祉協議会 | 635万円 | 11件 |
| 柴田町社会福祉協議会 | 603万円 | 11件 |
| 登米市社会福祉協議会 | 596万円 | 28件 |
宮城県共同募金会自体が6件で5,178万円と、2位の仙台市社協(2,612万円)を大きく上回る首位となっている。件数と金額の関係を見ると、栗原市社協や気仙沼市社協は少ない件数で大きな金額を受給している一方、石巻市社協・大崎市社協・登米市社協は件数が30件を超えるにもかかわらず金額は上位ほど大きくなく、小口の助成を広く積み重ねる形になっている。
防災関連の大型事業が上位を占める
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・R6年度) 赤:防災関連 橙:歳末たすけあい関連 青:その他事業
| 事業名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| 防災用テント整備事業 | 3,312万円 | 1件 |
| 小地域福祉ネットワーク活動事業・生活支援活動 | 2,003万円 | 1件 |
| 車両整備事業 | 1,178万円 | 7件 |
| 法定災害等準備金積立 | 1,100万円 | 1件 |
| 歳末たすけあい事業 | 646万円 | 3件 |
1位の防災用テント整備事業と4位の法定災害等準備金積立は、いずれも宮城県共同募金会自身が受給しており、合計すると4,412万円と上位10事業の総額の約4割を占める。2位の小地域福祉ネットワーク活動事業・生活支援活動は仙台市社協が受給しており、単発の大型助成としては県内最大級の事業となっている。
宮城県仙台市に寄付先を自分で選びたい場合の選択肢
赤い羽根共同募金は地域に細かく行き渡る一方で、寄付者自身が使い道を選ぶことはできない。仙台市を直接応援したい場合は、返礼品つきで使い道をある程度選べる「ふるさと納税」という制度もある。返礼品は仙台市の特産品や名産品が中心で、寄付額に応じて実質的な自己負担額を抑えながら地域を応援できる仕組みになっている。仙台市にも、ふるさと納税を通じて選べる返礼品が複数用意されており、その一例を紹介する。
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石巻市・大崎市社協は30件超の受給
助成先258団体のうち204団体(約79%)は令和6年度に1件のみの助成を受けている。一方、大崎市社協は37件、石巻市社協は35件と突出して受給回数が多く、団体別ランキングでは中位ながら件数の多さが際立つ。次いで登米市社協が28件と続き、金額規模の大きさとは別に、地域の細かな活動を数多く支えている団体がいることがわかる。
最高額と最低額、差は3万3千倍
743件の助成の中で最高額は宮城県共同募金会が受給した「防災用テント整備事業」の3,312万4,000円、最低額は登米市社協登米支所の「福祉活動協力校連絡会議」でわずか1,000円だった。その差は約3万3,124倍にのぼる。県共同募金会レベルの防災インフラ整備と、地域の一活動に充てられた千円の助成が同じ「助成」という枠組みに同居している。後者のような少額の助成は、金額の大小ではなく地域の細かな活動を支える赤い羽根の性質を象徴する事例といえる。
よくある質問
Q. 宮城県で広域募金が地域募金より多いのはなぜか。
A. 公開データ上、宮城県共同募金会自体が防災用テント整備事業や法定災害等準備金積立といった大型の防災関連事業を広域募金から複数受給していることが、広域募金の総額を押し上げる一因になっている。ただし広域募金の使途全体の内訳や配分方針の詳細は、公開データだけでは判別できない。

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