埼玉県の赤い羽根共同募金、令和6年度の助成先団体別ランキング上位は社会福祉協議会と埼玉県共同募金会で占められている。行政委託事業を担う立場を踏まえれば当然の結果だが、これらを除いて見ると、上位20件のうち半数以上が高齢者施設の浴槽購入だった。はねっと公開データベースを当サイトが独自集計し、社協・募金会を除いた実際の助成先を分析する。
高齢者施設の浴槽購入が上位を占めた、令和6年度の埼玉県赤い羽根
総額だけを見れば、埼玉県の助成は特定の団体に偏っているように見える。上位に並ぶのは市の社会福祉協議会ばかりで、パッと見ただけでは「行政系の団体に集中している」で片付けたくなる構図だ。だが、社協や共同募金会を除いて中身を洗い直すと、その印象は大きく変わってくる。誰が、何のために受け取っているのか——まずは全体の規模から見ていく。
助成先団体別ランキング
以下は204団体のうち、金額の大きい上位5団体を抜き出した一例で、全団体の一覧ではない。
| 団体名 | 金額 | 件数 |
|---|---|---|
| さいたま市社会福祉協議会 | 7,658万円 | 7件 |
| 川越市社会福祉協議会 | 2,573万円 | 29件 |
| 社会福祉法人埼玉県共同募金会 | 2,344万円 | 2件 |
| 越谷市社会福祉協議会 | 2,210万円 | 17件 |
| 川口市社会福祉協議会 | 1,944万円 | 7件 |
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度)
行政委託事業を担う立場を踏まえれば、この並びは想定の範囲内だ。実際の傾向は、これらを除いたところに表れる。
社協・募金会は団体数の3割で、金額の8割を占める
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度)
助成先204団体のうち、社会福祉協議会と共同募金会は約33%にすぎないが、金額・件数はいずれも8割前後をこの3割弱の団体が占める。同じ偏りは受給回数にも表れており、204団体のうち約57%が令和6年度中に1回しか助成を受けていない。少数の団体に金額・件数・継続性のすべてが集中し、残り多数は単発かつ小規模という二層構造になっている。
社協・募金会を除くと、上位は高齢者施設の浴槽購入だった
| 団体名 | 事業名 | 金額 |
|---|---|---|
| ひかり苑 | 介護浴槽購入 | 400万円 |
| ウエルガーデン大宮 | 特殊浴槽購入 | 384万円 |
| 桜荘 | 機械浴槽購入 | 376万円 |
| 常磐苑 | 特殊浴槽購入 | 373万円 |
| 緑水苑与野 | 特殊浴槽購入 | 365万円 |
| デイサービスセンターところの苑 | デイサービス用介護浴槽購入 | 362万円 |
| 横瀬デイサービスセンター | 入浴用スクアリフト購入 | 346万円 |
| 杏花里デイサービスセンター | 特殊浴槽購入 | 334万円 |
| 平安の森 | 介護浴槽購入 | 285万円 |
| アイリス弐番館 | 特殊浴槽購入 | 277万円 |
| フラワーヒル | 昇降式介護浴槽購入 | 263万円 |
出典:はねっと公開データベース(当サイト集計・令和6年度、社協・共同募金会を除く上位20件より抜粋)
社協・共同募金会を除いた助成先の金額上位20件のうち、半数以上を高齢者施設の浴槽・入浴設備の購入が占めた。事業名の表記は施設ごとに異なるため、県全体の事業別集計では別々の項目に分散し、目立たない規模に見えていた。団体単位で個別に見て初めて、これだけの規模でまとまっていることが分かる。
浴槽以外では、送迎用マイクロバスや空調設備リニューアル、送迎用車両など、介護・福祉施設の設備更新に充てられた助成が目立つ。金額の大きな助成の多くは、運営費のような包括的な名目ではなく、特定の設備投資に紐づいている。
上里学園・子供の町など、継続的に受給する児童福祉施設
社協・共同募金会を除いた団体の中で、令和6年度中に3回以上助成を受けているのは6団体のみだった。上里学園は大学等進学支援事業とハンドクリーム贈呈事業の両方を受けており、進学という大きな支援と、日常的な小さな贈呈事業が同じ施設に対して行われている。いわつき、子供の町も、名称から児童福祉関連の施設とみられ、単発の設備投資とは異なり、継続的な関係が続いていることがうかがえる。
金額の大きさだけで比べていいのか——人口で見ると順位は逆転する
ここまでの助成額はすべて「金額の大きさ」という物差しで見てきたが、比べている自治体の規模が違えば、金額の大小がそのまま重みの差を意味するとは限らない。団体別ランキング1位のさいたま市(政令指定都市)と2位の川越市(中核市)は人口規模がかなり異なるが、社協が受け取った助成金額の差はそれより小さい。人口一人当たりに換算すると、さいたま市社会福祉協議会よりも川越市社会福祉協議会の方がおよそ1.3倍多く、住民一人当たりでは川越市の方が手厚く助成を受けていることになる。
川越市社会福祉協議会は受給の頻度でも県内最多の29件で、その中には「こどもの居場所推進事業」など複数の事業がいずれも1,000円という実質的に象徴的な金額で含まれている。金額の大きさと関わりの広さを、同じ団体が両方兼ね備えている格好だ。
埼玉県さいたま市に寄付先を自分で選びたい場合の選択肢
赤い羽根共同募金は地域に細かく行き渡る一方で、寄付者自身が使い道を選ぶことはできない。さいたま市を直接応援したい場合は、返礼品つきで使い道をある程度選べる「ふるさと納税」という制度もある。返礼品はさいたま市の特産品や名産品が中心で、寄付額に応じて実質的な自己負担額を抑えながら地域を応援できる仕組みになっている。さいたま市にも、ふるさと納税を通じて選べる返礼品が複数用意されており、その一例を紹介する。
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金額の背後にある浴槽購入と、人口比が示す助成の実態
団体別ランキングだけを見ればさいたま市社協への集中に見えるが、社協・募金会を除くと高齢者施設の浴槽購入が上位を占め、人口一人当たりでは川越市社協の方が手厚いという逆転も起きていた。金額の大小だけでは見えない実態が、切り口を変えることで浮かび上がる。令和6年度(2024年度)の埼玉県助成先一覧では、今回取り上げきれなかった団体も含めて確認できる。

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